目次

ゲーフラ、はじめませんか?


ゲートフラッグ(以下ゲーフラ)とはスタジアムでサポーターが掲げるメッセージが書かれた旗です

両端に棒を通し掲げゲートのように見えるのでそう呼ばれています

 

スタジアムをチームカラーで染める

チームを、選手を鼓舞するメッセージを掲げる

最後の一足、あと少しの跳躍、駆け上がる力の源になって欲しい

 

ゲーフラでスタジアムを彩りたい

チーム・選手を勇気づける後押しとなりたいのです

そんな気持ちをゲーフラに込めてみませんか?

 

難しく考えなくてもお気に入りを応援したい!メッセージを伝えたい!

そんな想いがあればゲーフラは作れます

 

推したい想いを描き、掲げる

時にはキャッチーなひねったメッセージを考えて

時には目を惹くイラストを入れて

やり方は自由です

 

しかし、個人の思想を自由に表現する手段ではありますが、その内容について責任を負うことは常に念頭におきたいもの

差別やネガティブで人を傷つけ不快にする表現

歴史的背景からタブー視される表現

慎重に検討した上でデザインしてみてください

 

クラブによってはデザイン条件や掲出の申請制度もあります

確認の上で制作しましょう

 

『モラルとマナーを守る』

根本は「愛するチームを後押ししたい」という気持ちです

 

多くの人に見てもらえるゲーフラ

明るく・気持ちよく・時に楽しさを与える存在でありたいものです

 

今回は一般的に使用する機会の多いExceを使ってのデザイン方法を紹介

また、近年ではスマートフォン画像加工アプリでも様々なテイストに簡単手軽に加工できるものがあり、そのアプリの一例をご紹介します

 

※当サイトの情報無断転載、画像使用は禁止いたします。いわてグルージャ盛岡を広報する場合に限って管理人にお問い合わせください

制作の準備


どのようなゲーフラにするか構想を練り、必要な材料と道具をそろえましょう

 

《構想》

どのようなことを書けばいいの?

応援チーム、推しの選手に対して、自分の想うメッセージを

キャッチコピー、時事ネタ、好きなキャラクター、選手にちなんだものと組み合わせてみるのも面白いです

ただし、誹謗中傷・公序良俗に反せずモラルを持ったものに

 

どのくらいの大きさ?

ゲーフラには決まった形、大きさはありません

ただ大きすぎると掲げるのが大変

サッカーは雨ニモマケズ風ニモマケズ

風雨、灼熱の日差しのもとでも開催されます

もちろん岩手の雪の中でも

思いのほか風にあおられるので適度な大きさにしましょう

横幅があると長く掲げるのが困難(特に女性・子供)自分の身体に合わせたサイズに

 

どんなデザイン?

文字だけ、絵入り、時にはデコっているものも

制限は無いが周囲の迷惑にならない程度に

インパクトのあるフレーズはそれだけで存在感大

※デザインに画像使用する場合には、使用に関するトラブルが無いよう確認して下さい

 

いつ、どこであげればいいの?

試合前ウォーミングアップ入場や、開始前後の選手出入りのタイミング

得点を決めたときや、交代で入退場する時なども

周囲を見てタイミングをはかろう。前後左右気をつけて

グルージャゴール裏はいつでも大歓迎です

※ゲーフラを掲げられる場所は各クラブ毎に観戦ルールを確認して下さい 

《材料、道具》

布地

色は白や薄い色が下絵も透過しやすく描きやすい。チームカラーにちなんだ物も良い

材質はいろいろあるが描きやすさと絵の具の相性等お好みで

 

綿とポリエステルの比較

 

※1 綿は吸水性高く塗料も多く使うが、丈夫で剥がれにくい為しっかり定着させたいベタ塗りには向いている

※2 ポリエステルは生地の厚さによって耐久性、価格も変わってくる。一般的に幕などに使う種類として「ポンジ<トロピカル<トロマット」と厚くなる

※3 綿は手芸店など容易に入手でき種類も豊富、ポリエステルは限られ通販が多い

 

その他の布地

・サテン生地 

メタリックで光沢感がありとても目立つ生地だが塗料が乗りにくい。写しも透過できない

・混紡素材(綿〇% ポリエステル〇%)

綿とポリエステルの混合。それぞれのハイブリット

 

アイロン

まっさらな生地に描くために初めにきちんとかけるのがベスト。縫い代を割るときにも大切。アクリル絵の具で描く場合、当て布をして仕上げに高温でアイロンをかけるとより早くしっかり定着する

 

針と糸

フラッグの両端に棒を通す袋部を作るときに使う。手縫いでも、ミシンでも可

風などで引っ張られるのでしっかりと縫う。他の接着方法もあるが強度ではこれが最強

 

鉛筆/消しゴム

下書きに使用

 

セロハンテープ、ホチキス

印刷した下絵を貼るのに使用

 

チャコペーパー

濃い色の布に下絵や文字を書き写すときに使う。手芸店などで入手できる

 

熱圧着テープ、布用のり、布用両面テープ

接着する部位をこれらのテープで止める方法。簡単に付けることができるが、各使い方を理解し強度は確認した方が良い。手芸店や100均などで入手可能

 

ガムテープ

究極に簡単に貼り合わせる場合には有効。また、カラーガムテープ自体で文字やデザインを貼ってつくることもできる。ベースの旗地さえあればその都度デザインを変えられる短期決戦向け

 

突っ張り棒は伸縮できるので持ち運びに便利。他にゲーフラの大きさに応じて園芸用支柱、塩ビチューブなど。

よりコンパクトにできる手旗棒も人気だが、伸ばした状態だと曲りやすいので強い風などに注意

 


マスキングテープ

直線や文字、はみ出したくない場所に。すこし手間はかかるが仕上がりが断然きれいに

 

カッター/デザインカッター

マスキングした文字や画を切り出す。テープ下の布まで切らないように注意

 

定規

長短揃えてあると便利。ラインの真っ直ぐな文字や線には欠かせない。マスキングをカットするときにも使用

 

メディウム

アクリル絵の具をのばしたり、耐久性をつける時に。乾いた時に剥がれにくくなる。無くても可

 

アクリル絵の具

100均から画材店まで様々な値段・種類がある。発色や質感に違いがあるので好みで。耐水性あるか要確認。段幕や大物を塗る時にはホームセンターなどに大容量の塗料もある


 

細筆は細かい線を描くときに、平筆は広い面を塗るときに、刷毛はより広い部分を。画材店・100均などで手に入るが濃い色・薄い色を塗ることを考えて数本用意していると安心

 

パレット・水入れ

アクリル絵の具は乾くと固まるので使用後すぐに洗うか、使い捨てでトレーや空き容器を使うとよい

 

油性or布用マジック

マジックで手軽に描いてしまうのも良い。下に透過しないように注意。その他縁取り、細かい補正にも 

 

新聞紙/ゴミ袋

塗りが心配というとき周囲が汚れないように

ゴミ袋を開いてシート代わりにも。下絵との間に挟んでおくと紙と布が貼り付かない

 

デザイン


ここでは一般的によく使われているExcelでの画像加工方法を紹介

スマートフォンの加工アプリなどでも簡単に画像加工できるものもあります

 

モノクロ編

複数の画像を合わせて一つの画にする時、それぞれの画像をレイヤーと呼び層のように重ねることができる

ここでは人物画像をエンブレムに重ねたデザイン制作過程を説明する

 

モノクロ人物画像をつくる

①「挿入」→「図」→「画像」よりシート上に使用したい画像を挿入

 

②画像を右クリックし「図の書式設定」を選択

 

③「図」をクリックして「図の修整」「図の色」で調整する

「図の修整」

⇒〈シャープネス〉輪郭を強調。画像を鮮明に

 〈明るさ/コントラスト〉明暗を調整。画像をくっきりさせる

 「図の色」

⇒〈色の彩度〉を落としモノクロに

 〈色の変更〉白黒50%に

 ※白黒のパーセンテージは画像の明るさ等によっても変わるので調整

 

④「図の形式」から〈トリミング〉を選択し画像の不要な部分を削除

 

⑤「背景の削除」にて背景にあたる不要な部分を自動選択(ここでは紫に塗りつぶされた部分)

画像の一部が選択範囲に入ってしまった場合、〈保持する領域としてマーク〉で残す部位を選択する

 

⑥〈変更を保持〉をクリックして確定 モノクロ人物画像完成

 

⑦「挿入」→「図」→「画像」にてエンブレムレイヤー画像を挿入

画像の四隅をドラッグし画像の大きさを調整。〈背景の削除〉にて余分を削除

残す部位を調整しエンブレム画像完成 ※上記⑤⑥参照

 

レイヤーの変更

⑧重ね順を変えたい時には画像を右クリックして〈最前面へ移動〉などで変更

各レイヤーを好きな順に重ねる

 

複数の画像を統合

⑨[Ctrl]を押しながらそれぞれの画像を選択

右クリックで〈グループ化〉し画像を統合する(ページレイアウトにて調整するカラー⑨も参照)

 

データをJPEG画像にして保存する(Microsoft 365 Ver.の場合)

⑩画像を右クリックし〈図として保存〉を選択。ファイル種類〈JPEGファイル交換形式〉を選択し保存

カラー編

カラー人物画像をつくる

①「挿入」→「図」→「画像」よりシート上に使用したい画像を挿入

②「図の形式」→「色」→「図の色のオプション」を選択。「図の書式設定」へ

※または画像を右クリックし「図の書式設定」を選択

 

③「図の書式設定」にて描きやすく画像加工する

〈図の修整〉〈図の色〉で画力に応じて調整

〈図の修整〉

⇒〈シャープネス〉鮮明度を上げるとよりエッジを強調し緻密な画に。下げると線が少なくなり柔らかくなるがややぼやけた印象に

 〈明るさ〉明るすぎると白飛びしたり、暗すぎると全体が見えなくなる。適度に暗さで陰影をつけると立体的で迫力のある画に

 〈コントラスト〉線をくっきりさせ写真画像からイラスト調へ

 

〈図の色〉

⇒〈色の彩度〉彩度が高ければ鮮明に。低ければ黒味が多く渋い印象

 〈色のトーン〉赤味、青味を調整

 

④背景の削除をして人物画像レイヤーをつくる(モノクロ編参照)

 

文字を入れる

⑤「挿入」→「テキスト」より「テキストボックス」もしくは「ワードアート」を選択し文字を入れる

 

⑥「ホーム」の文字ツールもしくは文字レイヤーを右クリックしフォント、サイズ、色などを調整

文字レイヤーをドラッグし位置調整

 

⑦輪郭・縁取りなどがある文字を入れる場合〈ワードアート〉で文字を挿入

 

⑧文字レイヤーを右クリックし〈文字の効果の設定〉を選択

図形の書式設定で〈文字のオプション〉より効果詳細を変更。フォント、大きさ等文字ツールで変更

 

⑨「ページレイアウト」→〈オブジェクトの選択を表示〉にて各レイヤーが表示される

個々を選択し前面・背面へ移動したり位置を調整する

 

⑩すべてのレイヤーを表示して「グループ化」を選択。これで一つの画像になるので保存する。

モノクロ編の データをJPEG画像にして保存する を参考

  

 

スマートフォンアプリ

スマートフォン一つでもそれぞれに特化した複数のアプリを組み合わせて本格的なデザイン加工ができます

以下は参考例(2023年現在)

 

Clip2Comic

似顔絵とコミックメーカー

写真をイラストに加工するアプリ


Picsart AI

写真加工、画像編集 & 動画アプリ

背景透過、コラージュ、文字入れ、合成、フィルタ機能などの写真加工


写真加工 Color Pop

モノクロ写真の一部だけをカラーにしたような画像加工、写真編集


Phonto

写真文字入れ 

写真や画像へテキストや図形を追加するなどの編集加工が簡単にできる


下絵の印刷、布の縫い方


≪データ印刷≫

家庭用プリンターには印刷データを拡大し、複数枚の用紙に分割して印刷(ポスター印刷)できるものがある

A4サイズ(210×297mm)を目安に2×1、2×2、3×3、4×4のサイズで拡大できるのでゲーフラサイズに合わせてデザインを配置、印刷する

また、コンビニエンスストアのマルチコピー機でも同じように原稿をポスターサイズに印刷できるので調べてみて下さい

 

≪旗を作る≫

棒を通すため両脇が袋状になった旗をつくる。ミシン縫いが一番丈夫で長持ちするが、作りやすい方法で

 

①完成サイズより縫い代分をプラスしたサイズで布を裁断 目安(上下は+3㎝、横は棒刺入部5㎝+縫い代2㎝)

②上下を幅1.5㎝の三つ折りにして縫う

③横の棒刺入部分も同じように三つ折りして縫う

 

刺入部は力がかかって縫い目がほつれたり生地が裂けやすい箇所なので、補強の為に三角形や四角形で縫い止める。

上部は何度か折り返して縫う


描き方、塗り方


「勝つるゲーフラ」制作を参考に基本の塗り方

根本的にはやりやすい方法で

色むらを無くすためにレイヤーを重ねるように背景から塗っていくときれいに仕上がる

下の画を塗り、その上に少し重ねて次の色を乗せるイメージで

縁取りになる部分は最後に丁寧に

単色の図案は縁取りから塗っていき中を塗りつぶす

アクリル絵の具は重ね塗りで修正できるので思い切ってトライしてみよう

 

アクリル絵の具の主な特徴は

・乾くのが早い(時間がたつと絵の具が固まるのでラップで保護したり、手早く描く)

・耐水性・耐久性がある(メディウムを使うとより布への定着が良い。完全に乾くと水には溶けない)

・水による希釈ができる(たくさんの水で薄めるとにじみやすいので、薄める時は少しずつ)

・布など紙以外にも、しっかり描くことができる

乾くと耐水性になるので雨などの天候でも落ちませんが、誤って衣類に付くと落とすのが困難です

気を付けて作業しましょう

 

下描き

下絵を布の下に敷いて鉛筆で描く

白い布なら比較的透過しやすいが、窓に貼り付け透過させて描く方法もある

濃い色の布の場合はチャコペーパーでトレースする

真っ直ぐな文字やラインは定規を使って丁寧に描くと仕上がりがきれい

あえて手描きのゆがみも味があって良い

 

※大きなもので複雑ではないデザインならプロジェクターで写して描く方法もある

紙の印刷コストもかからない

 

①背景から色塗り

背景の集中線を塗る。直線なのでマスキングテープでラインを取る

このときしっかり布に貼らないと絵の具が下に滲むので注意

 

背景の集中線完了

 

②背景に重なる白色を塗る

集中線の上に重なる「俺達は」の縁取り白、キヅール本体の白を塗る

 

③背景に重なる文字赤色を塗る

「勝つる」の縁取り部分赤を塗る。明朝体は真っ直ぐな線が多いのでしっかりマスキングする

ゴシックや明朝体など直線の多いフォントはマスキングテープで直線ライン、角をとったほうがビシッときまりカッコいい。切り出す手間はあるものの、塗りは楽で色むらも少ない

 

曲線部分はデザインカッターなどできれいに切り出す。下の布まで切らないよう注意

※もし、下の布まで切ってしまったら?

→同布に薄くボンドを塗り裏から補強しましょう

 

④黒色で文字、画輪郭を塗る

文字などムラを無くすために黒で塗りつぶす周囲をマスキングテープで覆う

下の赤ふちどりに少し重なるくらいで文字のアウトラインをとる

 

キヅールボディーラインの直線はマスキングしてきっちり塗る

 

文字や画の曲線はフリーハンドでも。状況に応じて

 

⑤ボディーを塗る

脚の面積の広い薄いグレー部分を塗り、上から濃いグレーを重ねる

 

⑥マスキングを剥がし修正

マスキングからはみ出した部位を修正

 

その他細かい部位を塗り、描き込む

 

⑦完成

スタジアムで堂々と掲げ、推しを後押し

選手の視線やリアクションがもらえれば苦労も吹き飛ぶ最高の瞬間!

※「勝つるゲーフラ」縦83×横80㎝

 

 

 

写真提供協力:いわてグルージャ盛岡